二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。
前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありましたが、よい機会なので、すべて読み返すことにしました。
五十年近く前の本の復刊ですから「今さら」と思うような短編も少なくありませんでしたが、蒐集目的ではなかったため、以前の版では買わずにいた巻に拾いものがあったりして、それなりに満足しています。
まあ、僕にとってSFは「ニューヨークに住む平凡なサラリーマンが奇妙な事件に巻き込まれる小説」と定義してもよいくらいなので、そうした設定に出会うだけでワクワクしちゃうんですが……。
内外のSFを読み漁っていた中学生の頃も、やっぱりレトロなSFが好きでした。
当時は文庫本中心の読書だったので、それらのほとんどを捨ててしまったのが残念ですが(本が溜まって仕様がないので、文庫本は基本的に読み捨てていた。いつでも買い直せるという安心感があったせいである。最近はすぐ絶版になってしまうので、捨てずにとってある)、幸い今は、名作SFが数多く復刊されていますし、これを機に買い直してみようかなとも思ったりしています。
できたら日本人作家の作品も文庫で復刻してもらいたいですね。
「異色作家短篇集」1〜20、早川書房、二〇〇五〜二〇〇七
異色作家たちのほかの書籍の感想は、こちらをどうぞ
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→『ロアルド・ダールの鉄道安全読本』ロアルド・ダール
→『不思議な国の殺人』フレドリック・ブラウン
→『ミッキーくんの宇宙旅行』フレドリック・ブラウン
→『B・ガール』フレドリック・ブラウン
→『コスミック・レイプ』シオドア・スタージョン
→『奇術師の密室』リチャード・マシスン
→『モンスター誕生』リチャード・マシスン
→『魚雷をつぶせ』ジョルジュ・ランジュラン
→『こちらへいらっしゃい』シャーリイ・ジャクスン
→『野蛮人との生活』シャーリイ・ジャクスン
→『ジョン・コリア奇談集』ジョン・コリア
→『モンキー・ワイフ』ジョン・コリア
→『標的ナンバー10』ロバート・シェクリイ
→『シンデレラの呪われた城』ダフネ・デュ・モーリア
→『鏡よ、鏡』スタンリイ・エリン
→『トロイメライ』チャールズ・ボーモント
→『夜の冒険者たち』ジャック・フィニイ
→『現代イソップ/名詩に描く』ジェイムズ・サーバー
→『すばらしいO』ジェイムズ・サーバー
→『SEXは必要か』ジェイムズ・サーバー、E・B・ホワイト
→『ハロウィーンがやってきた』レイ・ブラッドベリ
→『インキュバス』レイ・ラッセル
→『おにごっこ物語』『もう一つのおにごっこ物語』マルセル・エイメ
→『名前のない通り』マルセル・エイメ
→『マルタン君物語』マルセル・エイメ
→『壜づめの女房』ロアルド・ダール、レイ・ブラッドベリほか
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