読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

チェコ

『そうはいっても飛ぶのはやさしい』イヴァン・ヴィスコチル/カリンティ・フリジェシュ

Vždyť přece létat je snadné(1963)Ivan Vyskočil / Karinthy Frigyes『そうはいっても飛ぶのはやさしい』は、生まれ育った国も世代も異なるふたりの作家を抱き合わせた、非常に珍しい本です。 併録は、ボリュームのある文学全集などではよくありますが、…

『迷宮一〇〇〇』ヤン・ヴァイス

Dům o tisíci patrech(1929)Jan Weiss ヤン・ヴァイスは、チェコのイレムニツェ出身(当時はオーストリア=ハンガリー帝国の一部)。ほかに長編は訳されていないので詳しくは分かりませんけれど、SFやファンタジーを得意とした作家のようです。 チェコの…

『御者のからだの影/消点』ペーター・ヴァイス

Der Schatten des Körpers des Kutschers(1952)/Fluchtpunkt(1961)Peter Weiss 僕は素人なので、つい話が俗っぽくなりますが、ペーター・ヴァイスといって真っ先に思い出すのは、やたらと長いタイトルの本があるってことです。『サド侯爵の演出のもとに…

「異色作家短篇集」

二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありまし…