読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

チリ

『泥棒の息子』マヌエル・ロハス

Hijo de ladrón(1951)Manuel Rojas Sepúlveda マヌエル・ロハスは、ラテンアメリカ文学ブームがくる少し前に活躍した作家のせいか、翻訳された小説は多くありません。 短編は、学生社の『ヨーロッパ短篇名作集』に「コロコロ」が、新日本出版社の『世界短…

『エバ・ルーナ』『エバ・ルーナのお話』イサベル・アジェンデ

Eva Luna(1987)/Cuentos de Eva Luna(1989)Isabel Allende 今回は、イサベル・アジェンデの『エバ・ルーナ』と『エバ・ルーナのお話』(写真)を取り上げます。 この「読書感想文」では、漸くふたり目の女性です。以前も述べましたが、僕は女流作家の本…

『夜のみだらな鳥』ホセ・ドノソ

El obsceno pájaro de la noche(1970)José Donoso 絶版の本にも流行り廃りがあって、すっかり忘れ去られてしまったものもあれば、俄に注目を浴びるものもあります。 ホセ・ドノソの『夜のみだらな鳥』(写真)は、朝日新聞の書評で筒井康隆が取り上げたり…