読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

カナダ

『わが心の子らよ』ガブリエル・ロワ

Ces enfants de ma vie(1977)Gabrielle Roy 移民文学というジャンルのなかで、子ども(たち)を主人公にした作品は一際輝いてみえます。 主役が子どもなので、必然的に移民二世以降の物語となります。多くは作者自身をモデルにしており、貧しく、虐げられ…

『果樹園のセレナーデ』L・M・モンゴメリ

Kilmeny of the Orchard(1910)L. M. Montgomery どんなに好きな作品(あるいは作家)であろうと、誰もが知っているものを、このブログでは取り上げないようにしています。 別に格好をつけているわけではありません。僕のブログは定期読者がほとんどいない…

『アイオワ野球連盟』W・P・キンセラ

The Iowa Baseball Confederacy(1986)W. P. Kinsella W・P・キンセラは、二〇一六年に、カナダにおける安楽死法で自ら死を選びました(『かも猟』のユゴー・クラウスも合法的な安楽死だった)。 彼は、一九八〇年代以降の代表的な野球小説の書き手である…

『ビリー・ザ・キッド全仕事』マイケル・オンダーチェ

The Collected Works of Billy the Kid: Left-Handed Poems(1970)Michael Ondaatje マイケル・オンダーチェは、セイロン(現スリランカ)生まれで、両親ともにオランダ人、タミル人、シンハラ人の混血という複雑な出自を持っています。彼は、両親の離婚後…

『冬の子供たち』マイクル・コニイ

Winter's Children(1974)Michael Greatrex Coney 一部の人に熱狂的に支持されつつ、一般には余り知られていないのをカルト的人気と呼ぶのなら、マイクル・コニイ(※1)なんて、正にピタリと当て嵌まるのではないでしょうか。 ネットを少し検索すれば、絶…

「異色作家短篇集」

二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありまし…