読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

中国

『待ち暮らし』ハ・ジン

Waiting(1999)Ha Jin 以前も述べたように、中国と日本は相互主義によって、固有名詞はそれぞれの国語に従って発音します。 中国出身のハ・ジンは、中国語では「金哈」と書き「チン・ハー」と読むので、日本語にすると「きん・ごう」とでもなるのでしょうか…

『纏足』馮驥才

三寸金莲(1987)冯骥才 本書は、最初に亜紀書房から刊行されたとき、原題と同じ『三寸金蓮』のタイトルでした。小学館文庫に収められるに際して、より分かりやすい『纏足』(写真)に改めたようです。 作者は「ふう・きさい」と読みます(中国の発音にする…

『黄泥街』残雪

黄泥街(1986)残雪 僕は、残雪と同じ誕生日(五月三十日)なので、勝手に親近感を抱いています(ナベツネとも同じだが、それはどーでもいい)。 莫言が二〇一二年にノーベル文学賞を受賞したとき、日本においてさえ「村上春樹じゃねーのかよ」より、「残雪…

『猫城記』老舎

貓城记(1932)老舍 今回もサンリオSF文庫です(余り続けると興醒めなので、次回から元に戻す予定)。ちなみにコンプリートまで残り四冊になりました。全部集まったら、また何冊かまとめて扱おうと思っています。 さて、『猫城記』(写真)の読み方ですが…

『赤い高粱』莫言

红高粱家族(1987)莫言 莫言の『赤い高粱』は「赤い高粱」「高粱の酒」「犬の道」「高粱の葬礼」「犬の皮」の5章からなる連作短編集(ボリューム的には連作中編集か)です。 ただし、入手しやすい岩波現代文庫版には最初の二章しか収録されておらず、すべ…