読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

ウルグアイ

『日曜日の青年』ジュール・シュペルヴィエル

Le Jeune homme du dimanche et des autres jours(1955)Jules Supervielle 自宅から車で二十分くらいのところに、老夫婦が経営している古本屋があります。チェーン店でも専門店でもない小さな店舗で、足の踏み場もないほど雑然と本が積みあがっている店で…

『火山を運ぶ男』ジュール・シュペルヴィエル

L'Homme de la pampa(1923)Jules Supervielle ジュール・シュペルヴィエルは、詩や短編小説の評価も高いのですが、日本では澁澤龍彦が訳した長編小説『ひとさらい』Le Voleur d'enfants(1926)が最もよく知られています。 子どもをさらってきて疑似家族を…

『はかない人生』フアン・カルロス・オネッティ

La vida breve(1950)Juan Carlos Onetti フアン・カルロス・オネッティが創造した架空の街「サンタ・マリア」は、ウィリアム・フォークナーの「ヨクナパトーファ」と同様、複数の作品にまたがって登場します。『はかない人生』(写真)(※)では、主人公ブ…

「異色作家短篇集」

二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありまし…