読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

フランス

『100000000000000の詩篇』レーモン・クノー

Cent mille milliards de poèmes(1961)Raymond Queneau 全集などに購入特典をつけるのは、正直やめて欲しい。これがあると「欲しいから買った」のではなく、「買わされた」感が強くなるからです。って、水声社の「レーモン・クノー・コレクション」(全十…

『マラルメ先生のマザー・グース』ステファヌ・マラルメ

Recueil de "Nursery rhymes"(1964)Stéphane Mallarmé はっきりいって、僕には古今東西老若男女巧拙にかかわらずほとんどの詩が、まるで理解できません。形式や成り立ちには多少興味がありますが、読者としては未熟もいいところです。勿論、好きな女性に自…

『孤独な男』ウージェーヌ・イヨネスコ

Le Solitaire(1973)Eugène Ionesco ウージェーヌ・イヨネスコは『禿の女歌手』や『犀』などで有名な不条理演劇の代表的作家ですが、小説も少し書いています。 ただし、ほとんどが短編で、多くはその後、戯曲として書き直されています(逆もある)。それら…

『フライデーあるいは太平洋の冥界』『フライデーあるいは野生の生活』ミシェル・トゥルニエ

Vendredi ou les limbes du Pacifique(1967)/Vendredi ou la vie sauvage(1971)Michiel Tournier 今回から数回に亘って、ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』に関係する小説、いわゆるロビンソナードといわれるパロディ作品群を取りあげるつ…

『先に寝たやつ相手を起こす』ジャン=エデルン・アリエ

Le premier qui dort réveille l'autre(1977)Jean-Edern Hallier ジャン=エデルン・アリエの『先に寝たやつ相手を起こす』(写真)は、ミュリエル・スパークの『邪魔をしないで』や『ホットハウスの狂影』と同じ年(一九八一年)に、同じハヤカワ・ノヴェ…

『荒れた海辺』ジャン=ルネ・ユグナン

La Côte sauvage(1960)Jean-René Huguenin 青春小説の評価は難しいと、いつも思います。 ときが経つと、作品自体の賞味期限が切れてしまうことや、様々なフィルターがかかってしまうことがあるからです。勿論、それはどんなジャンルの小説にもいえることで…

『青い花』レーモン・クノー

Les Fleurs bleues(1965)Raymond Queneau レーモン・クノーの小説は、以前『イカロスの飛行』の感想を掲載していたのですが、アップロードに失敗してデータが消えてしまいました……。 このブログは「お気に入りの作家の紹介」でもあるので、ぜひ加えておき…

『ユビュ王』アルフレッド・ジャリ

Ubu Roi(1896)Alfred Jarry はじめに断っておきますが、今回は、本選びの参考にはなりません。 いや、それは今回に限ったことではなく、お気に入りの本しか紹介しない時点で、書評や感想文というより「関田は、どんな本を面白いと思うのか」になってるわけ…

『物の時代/小さなバイク』ジョルジュ・ペレック

Les Choses: Une histoire des années soixante(1965)/Quel petit vélo à guidon chromé au fond de la cour?(1966)Georges Perec サイトの検索ワードをチェックすると、「比喩(隠喩、直喩、換喩、提喩)」に関する言葉をときどきみかけます(※)。そこ…

「異色作家短篇集」

二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありまし…