読書感想文(関田 涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

ロシア

『われら』エヴゲーニイ・ザミャーチン

Мы(1927)Евге́ний Ива́нович Замя́тин エヴゲーニイ・イワーノヴィチ・ザミャーチンの『われら』の訳本は、一九七〇年に講談社より刊行され、後に文庫にもなりました。その後、岩波文庫に移りましたが、現時点では品切れのようです。 ま、岩波文庫なので、…

『ヴェルリオーカ』ヴェニアミン・カヴェーリン

Верлиока(1982)Вениами́н Алекса́ндрович Каве́рин ヴェニアミン・アレクサンドロヴィチ・カヴェーリンは、当時(ヨシフ・スターリンが死去したとき)忘れられた作家であったミハイル・ブルガーコフの復活に尽力したことでよく知られています。 未完だった…

『大理石』ヨシフ・ブロツキー

Мрамор(1984)Ио́сиф Бро́дский ソ連から米国に亡命し、一九八七年にノーベル文学賞を受賞したヨシフ・ブロツキーは、少々変わった経歴の持ち主です。 彼は、ソ連時代(自らは前世と呼ぶ)、共産主義国家建設のために有益な働きを何ひとつしない徒食者とし…

『オブローモフ』イワン・ゴンチャロフ

Обломов(1859)Иван Aлeксандрович Гончаров 今年は、絵に描いたような寝正月でした。 お年玉をもらう歳じゃないのでソーシャルゲームの課金もできず、誘ってくれる友だちもおらず、食料の調達にコンビニへゆく以外は外出せず、ベッドを離れない日々……。 そ…

『旅に出る時ほほえみを』ナターリヤ・ソコローワ

Захвати с собой улыбку на дорогу(1965)Наталья Викторовна Соколова『旅に出る時ほほえみを』は、カバーイラストが地味すぎたこと(何が描かれているのか、よく分からない)、聞いたこともない作家だったこと、その上、帯に「地底潜行する怪獣17Pとその…

『星の切符』ワシーリィ・アクショーノフ

Звёздный билет(1961)Василий Аксёнов アレクサンドル・ソルジェニーツィンが『イワン・デニーソヴィチの一日』で文壇デビューしたのが一九六二年。ワシーリィ・アクショーノフの『星の切符』は、その前年に出版されました。 両者とも、当時はとても売れた…

『虹』ワンダ・ワシレフスカヤ

Tęcza(1942)Wanda Wasilewska ポーランドからソ連に亡命し、スターリンと不倫の噂があったワンダ・ワシレフスカヤは、作家というより共産主義の活動家、政治家としての方が有名かも知れません。 また、小説はポーランド語で書かれていますが、ロシア語に訳…

『ナボコフのドン・キホーテ講義』ウラジーミル・ナボコフ

Lectures on Don Quixote(1983)Vladimir Nabokov 僕が読んだ小説の数なんて高が知れています。多めに見積もっても、精々五千冊といったところでしょう。 それでこんなことを書くのは烏滸がましいのですが、もしオールタイムベストを選べといわれたら、ミゲ…

『カメラ・オブスクーラ』『マグダ』『マルゴ』ウラジーミル・ナボコフ

Камера Обскура(1933)/Magda(1934)/Laughter in the Dark(1938)Владимир Набоков, Vladimir Nabokov 生涯で好きな作家を三人あげろといわれたら、三人目くらいに入ってきても全く不思議じゃないのがウラジーミル・ナボコフ(※1)。 ロシア語と英語で…

『騎兵隊』イサーク・バーベリ

Конармия(1926)Исаак Бабель「読書感想文」では、なるべく様々な国・時代の小説を扱いたいと思っているのですが、ついつい米国の作家が多くなってしまいます。元々英米文学を読む比率が高いこともありますが、もうひとつの理由として、出版社の問題があり…