読書感想文(関田 涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

ドイツ

『牡猫ムルの人生観』E・T・A・ホフマン

Lebens-Ansichten des Katers Murr nebst fragmentarischer Biographie des Kapellmeisters Johannes Kreisler in zufälligen Makulaturblättern(1819, 1821)Ernst Theodor Amadeus Hoffmann エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンは、ペンネーム…

『ピーター=マックスの童話』ピーター・マックス

The Peter Max Land of Red, Land of Yellow, Land of Blue(1970)Peter Max サイケデリック(Psychedelia)とは、幻覚剤(LSDやマジックマッシュルームなど)によって齎される感覚をモチーフにしたサブカルチャー(アート、音楽、ファッションなど)で…

『二人の女と毒殺事件』アルフレート・デーブリーン

Die beiden Freundinnen und ihr Giftmord(1924)Alfred Döblin アルフレート・デーブリーンは、最近になって叙事詩『マナス』や短編集『たんぽぽ殺し』などが刊行されるなど、ちょっとしたブームになっています。しかし、何をおいても読んでおきたいのは、…

『ランゲルハンス島航海記』ノイロニムス・ノドゥルス・フリーゼル

Paralektikon - welches ist Abriß & Versuch einer umständlichen Historie von der Anlage und Umwelt der Langerhans'schen Insulae(1984)Neuronimus Nodulus Friesel「読書感想文」といいつつ、このブログは、コンプのためのリスト作りとか、中身の分…

『ケストナーの「ほらふき男爵」』エーリッヒ・ケストナー

Erich Kästner erzählt(1965)Erich Kästner ほらふき男爵ことカール・フリードリヒ・ヒエロニュムス・フォン・ミュンヒハウゼンは、十八世紀のプロイセンに実在した貴族です。 ミュンヒハウゼン男爵は、ほら話が得意で、館に招いた客たちに荒唐無稽な冒険…

『象は世界最大の昆虫である ―ガレッティ先生失言録』ヨハン・ゲオルク・アウグスト・ガレッティ

Das größte Insekt ist der Elefant(1965)Johann Georg August Galletti ヨハン・ゲオルク・アウグスト・ガレッティは、十八世紀生まれのドイツの歴史学者で、四十もの著作があるそうです。しかし、今日、それらは完全に忘れ去られ、死後に刊行された失言…

『気球乗りジャノッツォ』ジャン・パウル

Des Luftschiffers Giannozzo Seebuch(1801)Jean Paul ジャン・パウルの代表作『巨人』は、四巻に分けて出版されましたが、読者サービスとして各巻に付録がつけられたそうです。で、第二巻の付録が、この『気球乗りジャノッツォ』(書影)です。 岩波文庫…

『第七の十字架』アンナ・ゼーガース

Das siebte Kreuz(1942)Anna Seghers 絶版本の感想を書いていて、改めて感じるのは「復刊される本が案外と多い」ってことです。このブログで取り上げた書籍も、かなりの数が復刊されたり、久しぶりに重版がかかったりしています。「海外文学は売れない」と…

『カタリーナの失われた名誉 ―言論の暴力はいかなる結果を生むか』ハインリヒ・ベル

Die verlorene Ehre der Katharina Blum oder Wie Gewalt entstehen und wohin sie führen kann(1974)Heinrich Böll 本書(書影)はドイツの作家ハインリヒ・ベルのベストセラーで、映画化もされました(映画の邦題は『カタリーナ・ブルームの失われた名誉…

『愉しき放浪児』ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ

Aus dem Leben eines Taugenichts(1823)Joseph von Eichendorff 古典ですので、様々な出版社から発行されていますが、安価で入手しやすいのは岩波文庫版です。一九三八年に発行され、一九五二年に改訳され、一九九一年に復刊されています(※)。現在は品切…

『御者のからだの影/消点』ペーター・ヴァイス

Der Schatten des Körpers des Kutschers(1952)/Fluchtpunkt(1961)Peter Weiss 僕は素人なので、つい話が俗っぽくなりますが、ペーター・ヴァイスといって真っ先に思い出すのは、やたらと長いタイトルの本があるってことです。『サド侯爵の演出のもとに…