読書感想文(関田涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

キューバ

『コブラ』セベロ・サルドゥイ

Cobra(1972)Severo Sarduy キューバで医学を学んでいたセベロ・サルドゥイは、パリに留学した際、雑誌「テル・ケル」を制作していた知識人たちと出会いました。そして、一年後に奨学金が切れてもキューバに帰らず、そのままパリに残りました。 フィデル・…

『この世の王国』アレホ・カルペンティエル

El reino de este mundo(1949)Alejo Carpentier サンリオはアレホ・カルペンティエルがお気に入りだったのか、『バロック協奏曲』がサンリオSF文庫から、『この世の王国』(写真)がサンリオ文庫から刊行されました。『この世の王国』はサンリオより先の…

『亡き王子のためのハバーナ』ギジェルモ・カブレラ=インファンテ

La Habana para un infante difunto(1979)Guillermo Cabrera Infante ギジェルモ・カブレラ=インファンテは、処女長編の『TTT ―トラのトリオのトラウマトロジー』Tres tristes tigres(1967)が二〇一四年になって、ようやく翻訳されました。 訳すのは…

『失われた足跡』アレホ・カルペンティエル

Los pasos pérdidos(1953)Alejo Carpentier ベッドに入った後、ふと気になることができてしまい、起き出して調べものをする、なんてことはありませんか。僕は、しょっちゅうあるんです。 それは、わざわざインターネットで検索するようなことではなく、極…

「異色作家短篇集」

二度目の復刊となった早川書房の「異色作家短篇集」が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです(写真)。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありまし…