読書感想文(関田 涙)

関田 涙(せきた・なみだ)

アイルランド

『マーフィ』サミュエル・ベケット

Murphy(1938)Samuel Beckett 各国が生んだ文学作品を質と量の面で比較するとしたら、アイルランドは量において他国に敵わないでしょう。しかし、質、特に一風変わった作家・作品を揃えているという意味で、十分世界の頂点に立てる資格を有していると思いま…

『奴婢訓』ジョナサン・スウィフト

Directions to Servants(1745)Jonathan Swift『奴婢訓』は、「ぬひくん」と読みます。 簡単にいうと「召使いに向けた指示書」ですが、そこは稀代の捻くれ者ジョナサン・スウィフトですから、まともなものを書くはずはありません。 スウィフトは、愛すべき…

『ユニコーン』アイリス・マードック

The Unicorn(1963)Iris Murdoch アイリス・マードックの本を最後に買ったのはいつかと思って本棚を捜索してみたところ、『ジャクソンのジレンマ』(一九九五、遺作)が出てきました。この本が二〇〇二年刊ですから、もう十年以上経っていることになります…

『センチメンタル・ジャーニー』ロレンス・スターン

A Sentimental Journey Through France and Italy(1768)Laurence Sterne 僕が持っているのは岩波文庫版(昭和二七年刊)ですが、旧漢字を使用しているので若い人には読みづらいかも知れません。後に復刻されたみたいですし、ほかにも数種類、翻訳が出てい…

『異色作家短編集』

早川書房の異色作家短篇集が来月で完結します。洒落た装幀に魅かれて「ちょっと高いなあ」と思いつつ買い続けており、結局、全巻揃えてしまいそうです。 前の版を持っているのもあり、別の短編集などで読んだ作品もありましたが、よい機会なので、すべて読み…